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本論文は少子高齢化問題の核心にあるとされる、未婚化・晩婚化などの結婚行動の変化を世代間関係という切り口から解明しようとするものである。「消費生活に関するパネル調査」を用いて、結婚経験率が大きく落ち込んだ、1990年前半から2000年代前半にかけての晩婚・非婚化現象の要因分析を行った。ここで得られた知見は以下の通りである。第1に、親同居未婚者にとって、親からの所得移転は結婚確率を低下させる効果が確認された。ただし、それは親が戦前・戦中世代、子がバブル世代においてのみでしか確認することができなかった。これは「パラサイト・シングル仮説」で描かれていた独身者像が一時的なものであったことを示している。第2に、子がバブル崩壊以降世代において、長時間就業している者、初職でよい就職先につけなかった者は結婚確率が低下する結果が得られた。1990年代後半以降における不況により、若年者の労働需要の減少、雇用の非正規化による影響が考えられる。第3に、「乗り換えモデル」を検証すべく、父親と夫候補者の所得比が結婚に与える影響をみたところ、親の世代に関係なく、「親の所得が500万円以上」のケースにおいてのみ、結婚確率を引き下げる結果となった。
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