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北朝鮮は、1995年の自然災害を直接的契機として食糧飢饉に見舞われた。本稿は、この被害の実態を、1.飢饉の規模、2.年齢別インパクト、3.地域別インパクトの3つの側面から追究したものである。その際、既存研究において用いられている強引な仮定をできる限り排除し、現段階において公表されている資料に最大限依存して推計を行なうことに努めた。
本稿の結論は、以下のとおりである。
1. 飢饉の規模は、当初指摘されていた数百万人餓死説とは大きくかけ離れた33万6000人程度(1994-2000年)と計算された。
2. 飢饉の影響は、年齢別で見た場合、乳幼児や高齢層などの社会的弱者ばかりでなく成人男子と成人女子を含む全年齢層に及んだ。
3. 直轄市と都市化率の進んでいない穀倉地帯では、他の地域に比べて飢饉の被害は比較的少なかった。
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