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市町村合併には規模の経済による歳出削減効果があると指摘されてきたが、日本では合併による1人当たり歳出削減効果の実証分析は少ない。本稿では,1990年代の市町村合併が1人当たり歳出の削減をもたらすのかを、全国市町村パネルデータを用いて分析した。次のような結果が得られた。第1に、合併後1人当たり歳出は増加するが、その後徐々に減少する。第2に,合併により1人当たり人件費は減少する。合併後平均給与は上昇するが、規模の経済により公務員数を削減できるためと考えられる。第3に、合併後1人当たり普通建設事業費は上昇するが、徐々に減少する。合併後に大型事業が始められるが、その後算定替期間の終了や財政の逼迫により縮小されるためと思われる。
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